元不良の与瀬正輝と敬虔なるシスター小暮なおみは、友人たちも認めるほど仲の良いカップルだった。  ある日、バイトから疲れて帰宅するとなおみが料理を作って待っていたが、ささいな事から喧嘩をし、正輝はバイクを駆って無茶な運転をする。 その結果、飛び出してきた小動物に気を取られ事故を起こし意識を失う。
目を覚ますと自分の身体に縋って泣いているなおみの姿。 それを、「上から見下ろしている自分」。 あまりの出来事に、逆に冷静になってしまい事態を分析する主人公。 結論として、幽体離脱といったような現象であると結論付ける。  そこに、自らを死神と名乗る人物が現れる。 彼も、正輝と同じく半透明の姿で身体を宙に浮かせていた。  死神は、正輝の魂を奪いに来たという。 だが、なおみの正輝を愛する強い想いが彼の魂を現実に留めていると説明。 このままでは、正輝は死ぬこともできず、なおみは永遠に 目覚めることの無い正輝の身体に縋り付いて泣き続けることになるという。
正輝が「死ぬ」には、なおみの想いを断ち切らせる必要がある。 その想いを断ち切らせるには、彼女の中にある思い出を汚すしかない。 死神の力で、彼女の思い出の中に正輝を送り込み、 正輝がその記憶を改ざんするというやり方。 自分と過ごしていた平和で安らかな日々。 その思い出を、なおみの為に……正輝は自ら汚すことを誓う。
こうして正輝は「死ぬために」
彼女の思い出の中へと消えていく……。